はじめまして。
「株式会社 彩園」の創業者 木下博秋です。
弊社ホームページにお越し頂き、誠にありがとうございます。
夫婦で始めた木下園芸は、彩園として、年月を重ねてきました。
変わらぬ大切なものは、彩園のコンセプトとして、そのまま引き継いでおります。
沢山の仕事をして、多くの人々と出逢い、その中で、長年かかって培ったもの。
長年かけて気づいたもの。
それは、熟練の職人をはじめ、見習の若い子たちに至るまで、常に目指してもらいたいことです。
庭のスタイルは時代と共に変化し、多様性が求められる現代においても、この想いは、社是として変わらず生き続けています。
これからも、技術や、庭への感性を研鑽し、お客様に喜んで頂ける仕事をしていきたいと思います。
わずか1㎡の土地であっても、また1000㎡の場所であっても、
お客様が庭に込める思いに変りはなく、その時々、その思いを受け止めて、持てる渾身の力を注ぎ、取り組んできました。
これまでたくさんの方々と出会うことができ、その数だけ様々な経験を重ねてきました。
その一つ一つ、真摯に取り組んだ歳月が、今、血肉となり、かけがえのない私たちの財産となっています。
これまで、カエデや山ボウシをはじめ、たくさんの種類の雑木を使い庭を造ってきました。
特に山で育った木々は、どれも、えもいわれぬ姿で見飽きることがありません。
自然が作ったその芸術品は新たな地でも、あっというまにそこを、悠久のときが流れるしみじみと美しい風景に変えてくれます。
森からもらった珠玉の木々を、適材適所大切に使い、より輝き続けてほしいと願わずにいられません。
また、その足元を彩る潅木や下草は季節が巡るごとに可憐な花を咲かせ、命の息吹を教えてくれます。
森の恵みを少しだけ頂いて、命の力強さと、楽しさに満ちた庭。
暮らしの中にあって、なくてはならないもの。
「なぜだかわからないけど、気持ちいい。」
そんなさりげない空間をこれからも作って行けたらと思います。
森や里山の雑木林では、斜面や日陰などの恵まれない環境のなか、生存をかけて植物や樹木がたくましく生きています。
わずかな光を求めて幹を上へ上へと伸ばすもの、足元をしっかり踏ん張り、渓谷に長いアーチをかけるもの。
まさに自然が作った景観美にはただただ驚くばかりです。
そんな自然の雑木林は、あるがままに美しく、美しさは進化し続ける。
雨が多くて、四季があって、水辺があって、潤いに満ちた自然が身近にある。
日本という国は、なんと恵まれているのでしょう。
森や里山の雑木林では、斜面や日陰などの恵まれない環境のなか、生存をかけて植物や樹木がたくましく生きています。
わずかな光を求めて幹を上へ上へと伸ばすもの、足元をしっかり踏ん張り、渓谷に長いアーチをかけるもの。
まさに自然が作った景観美にはただただ驚くばかりです。
仕事でいろいろな場所に行きます。
仕事柄か、街並み、公園や住宅地などの庭・植栽に、つい目がいきます。
いつも、感じることですが、特に新しい大きな公園の樹木上部の枝が枯れ下がり生育不良がめだつようです。
大型団地や公園を造る場合、
山を切り開き、その造成を行うときに、
大型重機が敷地全体を締め固めた結果、
コンクリートの様な強固な地盤が出来上がります。
後に植物を植えるであろう場所もまた同様に締め固められます。
強固に締め付けた水はけの悪い土台では、樹木の根っこが、根を張り、健やかに生育していくことは、到底、無理なことです。
美しい樹形、鮮やかな新緑や、美しい花、燃えるような紅葉、どれも叶わぬものに。
植栽時、大きく立派な樹木は、新しい根を出す環境にないため、2・3年で枝の上部から枯れ下がってくるのです。
そのようにして枯れ下がった、およそ樹の体裁をなさなくなり、痛々しい姿で、辛うじて立っているのをよくみかけます。
植栽スペースに、根鉢の大きさ分だけの穴を掘り、
わずかばかりの肥料・改良材を混入しても、効果は期待できません。
ならば、その後の、庭づくりにおいて、樹木の為の土壌環境にしていくのが、
本来、庭屋が行う当然の使命といえるはずです。
樹木の部分が立派であればあるほど、根っこの部分はそれに比例して、広く深く根を下ろさねばなりません。
強風や干ばつに耐え、しっかりとその場所で根付き、枝の先端まで養分や水分を行き渡らせる為に。
瑞々しい葉景で、人々に木漏れ日を提供するために。
また、こだわりの庭を永く楽しめるように。
私たちは、見えない部分「土づくり」の手間とその苦労を惜しみません。
緑は、気持ちを和ませ、熱風をやわらげ、あたりを優しい空気でつつんでくれます。
樹木が本来の姿でいられるように、手間を惜しまず、造り、育ててやれば、日本の町並みは、格段に良くなると想うのですが。
最近多発している未曾有の風水害は、地球温暖化によるところが大きいといわれます。原因の一つが、二酸化炭素(CO2)を排出している私たちのライフスタイルです。
炭は燃料として用いるだけでなく、いろいろ活用されています。
農業でも腐敗菌を抑えて有用菌を活性化させ、植物の成長を促進する効果を期待して育苗用の土や畑に混ぜ込むなどして昔から使われてきました。
もみ殻や竹、木などは、土に入れると菌ちゃん(微生物)の餌になります。
またそれらの有機物を炭化、いわゆる「炭」にして土に入れると、多孔質のため菌ちゃんにとっては身を守ることができる、安全で快適な巨大アパート(住まい)になってくれるのです。
そのおかげで有用菌たちは活性化。土の中の有機物は、発酵へと向かうのです。
造園に携わる人々、家庭菜園も含め、農業に携わる人たち、が炭を活用し始めたら、CO2を増やす側から減らす側に回ることになります。これこそが地球温暖化の切り札になる理由です。
炭は、木や竹に含まれる炭素の2割を燃焼し、その熱で残り8割を燃やさずに炭化、つまり炭素として閉じ込めたもの。 炭を作ることで材料の木や竹が吸収したCO2の8割を固定できるのです。 剪定した枝・幹を炭にしたり、それを使って木を植えたりすれば固定されるCO2量は増えます。
参照 西日本新聞連載「菌ちゃんありがとう」吉田俊道氏より抜粋
弊社が使っている無煙炭化器です。
私たち人間は森の木々や植物が出す酸素と、吸収する二酸化炭素のおかげで、生命を維持しています。
木々や植物の存在があるおかげで、生きていくことができます。
特に山が多い日本では、国土の面積に対して森林の割合が大きく、木々や植物の存在があるおかげで、生きていくことができます。
また、昔からの集落には、氏神様の森があり、そこで木登りを覚えたり、蝉取りをしたり、木の上に小屋を作ったりして、育つ家庭で寄り添ってくれた木々がありました。
しかしここ数十年の間に、人々が文明生活をする中で、大規模伐採や酸性雨などにより
緑地の面積が、膨大な量減少しているといわれ、人の手による地球温暖化が急速に進んでいるといわれています。
近年頻発する大規模自然災害は次の世代を待たず、現在進行形で人命を脅かすようになりました。
現に南極の氷は、人類が排出する温暖化ガスで、急速に溶けだしているといわれています。
日本に点在する、悠久の森を守り続ける意識を持つこと。
かつ、衰退しないように、育つ環境を整える工夫をすること。
更に住生活のシーンに緑と共生する暮らしをすることで、おのおのは小さな点でもそれらが集まれば、
大きな森に匹敵する効果を生み出すと思うのです。
住まいとともにある庭。
そこに植えられた優しい枝ぶりの雑木たちは、葉音を鳴らして風が渡っていることを教えてくれます。
陽光を遮って、陰影のある風景を見せてくれます。
花のきれいな木や下草たちは、寒さの中でその時をじっと待ち、
春の気配を感じるころ、いつの間にか咲いていて、毎年飽きることのない小さな驚きをもたらせてくれます。
小鳥たちが飛んできて、そこが気持ちいい場所であることを教えてくれます。
住まいの中の小さな森は、きれいな空気を作ってくれるだけでなく、
一年を通して繰り返される営みの中で、無数の生き物たちが命のリレーをし、
未来をつなぎとめるため懸命に生きていることを教えてくれます。
しかし、自然の恵みを享受一方で、温暖化は加速度的に進行し、生命の安全が脅かされています。この待ったなしの状況で、いま私たちができること。
常に、自然に負荷をかけない工法を心がけ、木や緑を増やす努力をすること。
さらに、その木が健全に育つための土中環境を、全社一丸となって作り上げること。
安心して暮らせる自然環境を、次の世代へ必ず手渡すという気概を持って、これからも仕事に取り組んでまいります。
地上の植栽空間と、地中の根径圏が健全に機能していくことで、そこに住まう人々の心が、豊かに満たされ、驚きと発見に満ちた、命の躍動する空間を創出していきたいと思います。