H様邸(福岡県久留米市)
松とマキと巨石で構成された和風庭園でした。
ほとんどが常緑樹で、全体として、
暗く重たい印象でした。
リビング前のスペースが幅1.5m程で、
その広さに土留め石が、
ずらっと直線に並べてある為、
狭さが強調される結果となっていました。
今回の依頼は、
しっかりとした和の趣は残しつつ、
さわやかな広がりを感じる空間づくりをご希望でした。
まず既存の樹をすべて掘り上げ、
さらに粘土質の土を、水はけの良い土に、
全て入れ替えました。
また、苔や庭石との相性が良いヨシノ杉は、
常緑樹でも重たい印象にならず、
スペースの割りに大きすぎる既存の石を、
目立たせなくする効果があります。
足元は苔でスッキリとまとめ、
樹幹ごしに視線を奥へ誘うことで、
見通しの良い庭を構築しました。
時の経過と共に、やがて苔が石となじみ、
奥様手作りの寄せ植えの鉢もその場所で同化し、
落ち着いた景色を作ってゆくことでしょう。