BEFORE  健やかな庭を目指して。(福岡県春日市)
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県内でも有数の大型住宅地、春日市。
その一角にあるS様邸は、敷地面積およそ150坪。
その広大な敷地の中には昔からのマキノキやツゲなど数種の樹木が既にあり、庭の管理もきちんとされているお宅でした。

奥さまによれば、
「広さゆえに庭の草取りに追われ、最後まで取り終わったかと思ったら、最初草取りした所にはもう次の草が・・・という状態。」
まずは「何とかならないか。」というご相談でした。
そして、以前住んであった東京のお庭は、いいカンジに雑木が植えてあり、その心地良さを再現してほしいとのご要望でした。

また、航空関係の仕事をされてあるご主人のご希望は、バラが元気に育つ環境を作ること。
若い頃、研修で滞在したオーストラリア。街中がバラや花であふれ、住人の朝一番の仕事は、その花ガラを摘むこと。
明るい陽光のもと、花にむけた人々の笑顔とともに一日がスタートするのだそう。
(Sさんのお宅にも数本のバラが確かにありましたが、どれも元気のないのがやや気になりました。)

最初この庭を見た時、樹の上部が枯れていたり、木々がう黄化して育ちの悪い印象を持ちました。
リガーデンの為、木々を掘り上げてみるとその原因が判明しました。地盤の固さが尋常ではないのです。
事実、既存の植木からはほとんど健全な根が出ておらず、樹の生育を支える大事な底根は傷んで枯腐いる状態でした。


これでは木々が元気に育つはずもなく、
この強固な地盤を深くほぐして、地中に健全な木の根が張れる環境づくりが第一の仕事となりました。
土壌改良工事に多くの時間を費やしましたが、
風にそよぐ優しい雑木の風情を楽しみたいとのご要望に沿うためには避けて通れない作業でもありました。

既存の樹木も生かし、新たにモミジや常緑ヤマボウシなどを植え、
また植栽スペース以外は草取りの手間が軽減する様、防草シートを施しました。
木々の足元には、四季折々の花が咲き、雑木の伸びやかな枝先には新緑や紅葉で季節の変化を教えてくれるように。
そんな願いを込めて、ひとつひとつの作業を丁寧に行いました。

庭に出て、その「広さ」が負担ではなく、潤いをもたらすものである様に。
世界の空と風景を見てきたご主人と、お琴や陶芸を楽しみ自然の気配に優しいまなざしの奥様のこれからの暮らしが、
より心地よいものになることを願ってやみません。
もちろん大事な思い入れのあるバラはリビング前の一番目立つ所に。

「空から見下ろすと、緑に彩られた我が家が見えるんだ。ホッとするよ。」
そう話されたご主人の輝く笑顔が印象的でした。
でも、さすがにバラの花までは見えませんよね^^
青春の日の光りの中で輝いていたバラたちが、再びこの地で元気に育ち、より輝きを増しますように。

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殺風景な玄関へのアプローチ。

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彩ゆたかなアプローチへ
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*写真をクリックすると拡大表示されます。
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ポツンと寂しげなテーブルとイス 。

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奥のカフェテラスに誘う緑豊かな小径。

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デッキからの眺め。人工芝が異質。
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デッキに出た時の空気感が違いますね