子供の持つ無限の可能性をどう引き出してやるか、またどうしたら子供たちの為になるか、難しい課題でもありました。
将来を生き抜く強い精神力と、人として、穏やかでしなやかな感性を身につけて、将来に羽ばたいて欲しい。
そんな想いで、園の方々のアドバイスのもと構想を練りました。
自らの子供の頃を振り返り、何が心に残っているのか。
幼い頃、遊び道具など無かったけれど、近くの神社の境内で、毎日遅くまで、木登りしたり、木の実をとって食べたり、
走ったり転んだり、擦り傷をこさえながら、みんなでワーワーやってました。
古い社と大きな椎やクスノキ、石を積み上げた碑など、周りにあるもの全てが、遊び道具でした。
そんな遠い日の光景が、懐かしく思い出されます。
工事にあたり留意した点ですが、敷地に緩やかな起伏をもたせ、野原を再現しました。
またドングリやヤマグリ、ヤマモモなど、実の生る木を植え、実のなっている姿をみたことの無いであろう子供たちに、
実際収穫して、喜んでもらいたいと思います。
またカツラやイチョウ、ハウチワカエデなど、葉っぱのカタチや色の変化が面白い木々を植え、
紅葉狩りを楽しんで欲しいと思いました。
春には、山桜の薄桃の花が、巡りきた季節を謳歌するように咲き、初夏にはハナミズキ・ヤマボウシの紅白の花が咲くように。
夏には、濃い緑葉が木陰を作り、涼やかな風を呼び込むように。
秋には、シラキやモミジ、イチョウにアメリカフウ・コナラなど、赤や黄色の色彩で風景を塗り替える様に。
全ての木々は、山で育った自然樹形ものをはるばる移植しました。
歴史ある、ここ大宰府の地で、新たな自然の中に立つ、木々や草花がしっかりと根をおろし、枝葉を広げ、
たくましい体と、強くて優しい心を持った子供たちを見守り、育んでほしいと願っています。